Vポイントからポイント・マイルへの交換レートが改悪へ!ANAカードのANAマイル還元率にも影響あり!
Vポイントから各種ポイントおよびマイレージへの交換レートが改悪となります。これまで各種ポイントには100%、マイレージには60%となっていた交換レートが、それぞれ80%と50%に低下になります。ANAカードの「マイル移行コース」の交換レートは変更ありませんので大きな影響はありませんが、最大のマイル還元率という観点では影響を受けます。特に「マイペイすリボ」や「JQみずほルート」を利用していた方は要注意です。以下で詳しく解説していきます。
目次
Vポイントとは
「Vポイント」は、三井住友カードの利用で貯められるポイントプログラムの名称です。以前は「ワールドプレゼント」という名前で運営されていましたが、2020年6月に「Vポイント」にリニューアルされました。
「Vポイント」は、三井住友カードの利用で「200円につき1ポイント」を貯めることができます。「Vポイント」は、基本的には「1ポイント=1円」の価値があり、貯めたポイントは、各種ポイントやマイル、商品などに交換することができます。
「Vポイント」の概要やリニューアルのポイントなどはこちらの記事をご参照ください。
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Vポイントからポイント・マイルへの交換レートが改悪(2021年4月1日から)
さて、そんな「Vポイント」ですが、改悪のニュースが入ってきました。各種ポイントやマイルなどの交換レートが「低下」するというものです。
具体的には以下になります。これまで「ポイント移行」および「オンラインギフトカード」への交換に関しては、交換レート「100%」となっていましたが、これが「80%」と20%も低下することになります。
また、「マイレージ移行」については、交換レート「60%」となっていたものが「50%」というように10%低下します。
<変更になる交換レート>
対象サービス | 変更前 | 変更後 | |
---|---|---|---|
ポイント移行 | Gポイント | Vポイント1ポイント→1ポイント (Vポイント500ポイント→500ポイント) |
Vポイント1ポイント→0.8ポイント (Vポイント500ポイント→400ポイント) |
WAONポイント (三井住友カードWAON) |
|||
ベルメゾン・ポイント | |||
カテエネポイント | |||
PeXポイント | Vポイント1ポイント→10ポイント (Vポイント500ポイント→5,000ポイント) |
Vポイント1ポイント→8ポイント (Vポイント500ポイント→4,000ポイント) |
|
RealPay | |||
PiTaPaショップdeポイント | |||
オンラインギフトカード | Amazonギフト券 | Vポイント1ポイント→1円分 (Vポイント500ポイント→500円分) |
Vポイント1ポイント→0.8円分 (Vポイント500ポイント→400円分) |
App Stores & iTunesギフトカード | |||
Google Playギフトコード | |||
自治体ポイント | |||
マイレージ移行 | ANAマイレージ(ANAカード会員以外の方) | Vポイント1ポイント→0.6マイル (Vポイント500ポイント→300マイル) |
Vポイント1ポイント→0.5マイル (Vポイント500ポイント→250マイル) |
フライングブルーマイレージ | |||
ブリティッシュ・エアウェイズエグゼクティブクラブAvios |
変更が適用されるのは「2021年4月1日」の申し込み分からとなります。これらのポイントおよびオンラインギフトカード、マイレージへの移行を計画されている方は、2021年3月末までに申し込むのが良いですね。
発表内容の詳細はこちら公式サイトからもご確認ください。
三井住友カード「新サービス開始および一部ポイント移行サービスの交換レート変更」
ポイントへの交換レート低下はANAカードのANAマイル還元率にも影響
ANAカードの場合は「マイペイすリボ」で獲得したボーナスポイントの交換レートが下がらないという情報をいただきました。この場合、ANAカードのANAマイル還元率には影響しないということになります。4月1日に実際に確認し情報を追記したいと思います。
陸マイラーとして気になるのは、今回の改悪によって「ANAカード」のANAマイル還元率に影響があるかどうかですね。
なぜなら、ANAカードで国際ブランドを「VISA」もしくは「Mastercard」を選択すると、発行元は三井住友カードになるからです。
結論から申し上げると、今回の改悪によって、ANAカードのANAマイル還元率が「最大0.05%低下」します。
ただし、影響を受けるのは、「マイペイすリボ」で獲得したボーナスポイントをANAマイルに交換していた方に限定されます。
以下で順番にご説明していきたいと思います。
ANAカードの「マイル移行コース」は改悪の影響を受けない
ANAカードの場合、基本的なANAマイル還元率は選択するコース(=マイル移行コース)に依存します。
一般カードで無料で選択可能なのは「1倍コース」でマイル還元率は「0.5%」となります。ゴールドカードの場合は無料で、もしくは一般カードで年「6,600円(税込)」の追加費用を支払うことで「2倍コース」を選択可能でマイル還元率は「1%」となります。
「3倍コース」は年会費が高額なプレミアムカードのみ選択可能でマイル還元率は「1.5%」となります。まとめると以下のようになります。
<マイル移行コースとマイル還元率>
マイル移行コース | マイル還元率 | 備考 |
1倍コース(1ポイント=1マイル) | 0.5% | 一般カード |
2倍コース(1ポイント=2マイル) | 1.0% | ゴールドカード、もしくは一般カードで6,600円(税込)を追加 |
3倍コース(1ポイント=3マイル) | 1.5% | プレミアムカード |
今回、三井住友カードから発表された改悪の内容には、この「マイル移行コース」は対象になっていません。そのため、ANAカードにおける基本的なANAマイル還元率は影響を受けないということになります。
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「マイペイすリボ」で獲得したボーナスポイントは改悪の影響を受ける
一方で、ANAカードでは「マイペイすリボ」の手数料を発生させることで得られる「ボーナスポイント」をマイルに交換することで、ANAマイル還元率を高めるというテクニックが有名です。
例えば、100,000円の決済で獲得できるVポイントは、通常であれば「500ポイント」ですが、「マイペイすリボ」で手数料が発生した月は同額のボーナスポイントを獲得できるため、追加で「500ボーナスポイント」を獲得することができます。
<ひと月に10万円決済した場合>
- 通常:
- ベースポイント500ポイント(=10万円 x0.5%)
- 「マイペイすリボ」で手数料が発生:
- ベースポイント500ポイント(=10万円 x0.5%)
- ボーナスポイント500ポイント(=10万円 x0.5%)<=追加!
そして、このボーナスポイントには、ANAカード以外のANAマイル交換レートが適用されます。つまり、改悪前は「60%」、改悪後は「50%」となります。
そのため、「マイペイすリボ」で獲得したボーナスポイントをANAマイルに交換していた方は今回の改悪の影響を受けるということになります。
例えば「2倍コース」を選択していた場合のANAマイル還元率は以下のようになります。100,000円決済を例にしています。
この例を見ると、ボーナスポイントのマイル交換レートが下がることで、マイル還元率が「1.3%」から「1.25%」と低下していることがわかりますね。
<改悪によるANAマイル還元率の変化(10万円決済、2倍コース)>
改悪前 | 改悪後 | |
ベースポイント | 500ポイント=>1,000マイル | 500ポイント=>1,000マイル |
ボーナスポイント | 500ポイント=>300マイル | 500ポイント=>250マイル |
合計マイル数 | 1,300マイル | 1,250マイル |
マイル還元率 | 1.3%(=1,300マイル / 100,000円) | 1.25%(=1,300マイル / 100,000円) |
上記は「2倍コース」を例にしていますが、同じくボーナスポイントを利用する場合は「3倍コース」が適用されるプレミアムカードも影響を受けるということになります。3倍コースの例は以下になります。
<改悪によるANAマイル還元率の変化(10万円決済、3倍コース)>
改悪前 | 改悪後 | |
ベースポイント | 500ポイント=>1,500マイル | 500ポイント=>1,500マイル |
ボーナスポイント | 500ポイント=>300マイル | 500ポイント=>250マイル |
合計マイル数 | 1,800マイル | 1,750マイル |
マイル還元率 | 1.8%(=1,800マイル / 100,000円) | 1.75%(=1,750マイル / 100,000円) |
ANAマイル還元率としての低下は「0.05%」というように決して大きなものではありません。
ただ、一般カードおよびゴールドカードが実現するANAマイル還元率「1.25%」というと、ホテル宿泊に特化したクレジットカードである「SPGアメックス」と同等となります。
これまでANAカードは、「ANA」を関するクレジットカードとして、SPGアメックスよりも高いANAマイル還元率(1.3%)を誇っていました
これが、SPGアメックスと同等になってしまうというのはちょっと残念ですね・・。
もちろん、プレミアムカードであれば、改悪後でも「1.75%」という非常に高いANAマイル還元率を達成することができますが、年会費がVISAの場合で「88,000円(税込)」と非常に高額となっています。
改悪が適用される2021年4月1日以降は、SPGアメックスの優位性が改めて際立つことになりそうですね。
Gポイントへの交換レート低下で「JQみずほルート」にも影響あり
ここからはちょっとマニアックな情報になりますが、今回の改悪は「JQみずほルート」にも影響を与えます。
「JQみずほルート」というのは、「JQ CARDセゾン」と「みずほマイレージクラブカード/ANA」という二枚のクレジットカードを利用するルートです。「Vポイント」を起点とする場合は「Gポイント」を経由します。

【改悪前】JQみずほルート(Vポイント起点)
ちょっと複雑なルートですが、この「JQみずほルート」を利用すると、「Vポイント」を「70%」の交換レートでANAマイルに交換することができます。
そのため、さきほどご紹介した「ボーナスポイント」のANAマイル交換レートを、直接交換する場合の「60%」から「70%」にアップできるというのが特徴となっています。
ただし、今回の改悪で、このルートの一番最初の部分である「Vポイント」から「Gポイント」への交換レートが「100%」から「80%」に低下します。
結果として、「Vポイント」を起点としたこのルートの交換レートは「56%」と大きく低下してしまいます。

【改悪後】JQみずほルート(Vポイント起点)
「ボーナスポイント」を直接ANAマイルに交換する際の交換レートも、今回の改悪で「50%」に下がりますので、「JQみずほルート」の交換レートである「56%」の方が「6%」と高いということになります。
これは、ANAマイル還元率に直すと「0.03%」の違いということになります。
そのため、「JQみずほルート」を利用する意味はなくはありませんが、以前に比べるとメリットは少なくなってしまいました。
改悪前と改悪後のANAマイル還元率を表にまとめると以下のようになります。
<ANAマイル還元率一覧(改悪前)>
通常ポイントのみ | 通常ポイント+ボーナスポイント(ANAマイルに直接交換) | 通常ポイント+ボーナスポイント(JQみずほルート利用) | |
1倍コース | 0.5% | 0.8%(=0.5%+0.3%) | 0.85%(=0.5%+0.35%) |
2倍コース | 1.0% | 1.3%(=1.0%+0.3%) | 1.35%(=1.0%+0.35%) |
3倍コース | 1.5% | 1.8%(=1.5%+0.3%) | 1.85%(=1.5%+0.35%) |
<ANAマイル還元率一覧(改悪後)>
通常ポイントのみ | 通常ポイント+ボーナスポイント(ANAマイルに直接交換) | 通常ポイント+ボーナスポイント(JQみずほルート利用) | |
1倍コース | 0.5% | 0.75%(=0.5%+0.25%) | 0.78%(=0.5%+0.28%) |
2倍コース | 1.0% | 1.25%(=1.0%+0.25%) | 1.28%(=1.0%+0.28%) |
3倍コース | 1.5% | 1.75%(=1.5%+0.25%) | 1.78%(=1.5%+0.28%) |
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まとめ
今回は、Vポイントから各種ポイントおよびマイレージへの交換レートの改悪についてご紹介しました。
ANAカードの「2倍コース+マイペイすリボ」を駆使した場合で、ANAマイル還元率が従来の「1.3%」から「1.25%」に低下となります。
ANAカードについては、2019年にも年間利用ボーナスが廃止になったり、年会費の優遇特典の条件が変更になったりと、改悪がなされていました。
今回のANAマイル還元率の低下については、2年連続の改悪ということで、正直悪いニュースが続いているなという印象です。
このANAマイル還元率「1.25%」という数字は、SPGアメックスが実現する数字と同じになります。2021年4月以降は、SPGアメックスの優位性がさらに高まるかもしれませんね。
それでは、また!
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