マイルを貯めるANAカードのおすすめは?陸マイラーが選び方を解説!還元率・年会費・特典を比較
ANAカードは、普段のショッピングやANAのサービス利用でお得にANAマイルを貯められるクレジットカードです。ANA便搭乗でボーナスマイルを獲得できるのはANAカードだけの特典のため、ANAユーザーにとっては必携のクレジットカードなっています。ただし、ANAカードには4つのグレードと豊富な提携先が用意されているため、たくさんの種類が存在しています。これにより、どれを選んだら良いのか、初心者のみならず迷ってしまうような状況になっています。そこで当記事では、陸マイラー的な視点でANAカードの選び方とオススメの1枚を解説していきたいと思います。
更新履歴(2020年5月4日):ANAプレミアムカード(プラチナ)の記事リンクを追記しました。
目次
ANAカードとは
ANAカードは、国内大手航空会社である全日本空輸(ANA)がクレジットカード会社と提携して発行しているクレジットカードです。
ANAカードは、普段のショッピングやANAサービスの利用などでANAマイルが貯まる仕組みを提供しています。ANAカードの主な特徴は以下になります。
<ANAカードの特徴>
- 毎年のカード継続でボーナスマイルを獲得
- 搭乗ごとにボーナスマイルを獲得
- 特約店でマイルアップ
- 空港内のショップで割引
- 家族のマイルを合算
この中でも、ANA便の搭乗でボーナスマイルが貯まるのはANAカードだけの特徴となっています。そのため、普段ANAの飛行機を利用するANAユーザーであれば必携のクレジットカードとなっています。
ANAカードには4つのグレードと豊富な提携先が用意
ANAカードには、4つのグレードと豊富な提携先が用意されています。これはユーザーにとっては選択の幅が広く用意されているということで嬉しいポイントでもあります。
しかし一方では、非常にたくさんの種類のANAカードが存在することになり、どれを選んだらよいのか、特に初心者の方は混乱してしまっているのが現状となっています。
ANAカードを選択する際に着目するポイント
非常にたくさんの種類が存在するANAカードですが、選択する際に着目するポイントは多くはありません。実は、以下3つのポイントに着目することで、最適なANAカードを選択することができます。
<ANAカードを選択する際に着目するポイント>
- マイル還元率
- ANAカード特典
- 割引特典を考慮した維持コスト
結論から先に書いてしまうと、以下がそれぞれオススメになります。
- 年66万円以上クレジットカード決済する方、もしくは、ANAのフライトを有償で利用する機会が多い方
- 決済額も少なくANAのフライトもほとんど利用しない方
- =>ANA TOKYU POINT ClubQ PASMO マスターカード(オプションなし)
- 毎月リボ払いの利用手数料を発生させるのが面倒な方
- =>「SPGアメックス」と「ANA TOKYU POINT ClubQ PASMO マスターカード(オプションなし)」の2枚持ち
以下では、ANAカードを選択する際に着目するポイントごとに、ANAカードを比較していきたいと思います。
ANAカードを比較①:マイル還元率
ANAカードには、4つのグレードが存在します。「一般カード」「ワイドカード」「ゴールドカード(ワイドゴールドカード)」「プレミアムカード」の4つです。
左から右の順にクレジットカードとしてのグレードが高くなっていきます。そして、それに伴い、年会費も高額になっていきます(「一般カード」の中には提携カードも含まれますが、議論が複雑になるのでここでは一旦省略しています)。
基本的には、グレードが高くなるにつれて、ショッピング利用時のマイル還元率が高くなっていくという関係になっています。
「一般カード」「ワイドカード」のマイル還元率
「一般カード」「ワイドカード」の場合、1,000円のショッピングにつき5マイルを貯めることができます。マイル還元率は0.5%ということになります。
ただし、オプションで「10マイルコース」を選択すると、1,000円のショッピングにつき10マイルを貯めることができるようになり、マイル還元率は1.0%になります。
「10マイルコース」を選択すると、移行手数料として年間6,600円(税込)が年会費とは別に必要になります(注:JCBカードの場合は5,500円(税込))。
また、三井住友カードが発行するANAカードを選択した場合、「マイ・ペイすリボ」の金利を発生させることで、1,000円につき3マイルに交換できるボーナスポイントを獲得することができます。
この部分まで考慮すると、「一般カード」「ワイドカード」のANAマイル還元率は、最大1.3%まで高めることができます。
ANAアメリカン・エキスプレス・カードのみ例外で100円につき1マイルを貯めることができます。しかしながら、初めから年会費が「7,700円」と高めの設定になっています。また、ANAマイルに移行するためには「ポイント移行コース」に参加する必要があります。これには年間6,600円(税込)の参加費用が必要になります。
「ゴールドカード(ワイドゴールドカード)」のマイル還元率
「ゴールドカード(ワイドゴールドカード)」の場合は、「一般カード」「ワイドカード」よりも年会費が高い分、「10マイルコース」に自動的に登録されています。そのため、1,000円のショッピングにつき10マイルを貯めることができ、マイル還元率は1.0%になります。
また、「一般カード」「ワイドカード」と同じく、三井住友カードが発行するANAカードを選択した場合、「マイ・ペイすリボ」の金利を発生させることで、1,000円につき3マイルに交換できるボーナスポイントを獲得することができます。
この部分まで考慮すると、「ゴールドカード(ワイドゴールドカード)」のANAマイル還元率は、最大1.3%まで高めることができます。
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「プレミアムカード」のマイル還元率
「プレミアムカード」は年会費が高いだけあって、マイル還元率も優遇されています。1,000円のショッピングにつき15マイルを貯めることができ、マイル還元率は1.5%になります(注:JCBカードの場合は1.3%、アメックスカードの場合は1.0%)。
また、他のグレードと同じく、三井住友カードが発行するANAカードを選択した場合、「マイ・ペイすリボ」の金利を発生させることで、1,000円につき3マイルに交換できるボーナスポイントを獲得することができます。
この部分まで考慮すると、「プレミアムカード」のANAマイル還元率は、最大1.8%まで高めることができます。
マイル還元率を比較
ここでは、ANAカードのグレードとマイル還元率、年会費を含めた維持費の関係を比較していきたいと思います。オプション(10マイルコース)追加のあり/なしと、「マイ・ペイすリボ」の活用を考慮した3パターンでまとめています。
パターン1:オプションを追加しない場合
オプション(10マイルコース)を追加しない場合のマイル還元率は以下のようになります。グレードが高くなるにしたがってマイル還元率も高くなっていくのがわかります。
維持コストは年会費と同じで、国際ブランドは、各グレードで用意しているものから選択することができます。
<マイル還元率一覧(オプション追加なし)>
|
一般カード
|
ワイドカード
|
ゴールド
|
プレミアム
|
年会費(税込)
|
2,200円/
7,700円*1 |
7,975円
|
15,400円/
29,700円*2/ 34,100円*1 |
77,000円*3/
88,000円/ 165,000円*2/ |
10マイルコース(税込)
|
なし
|
なし
|
自動
|
自動(15マイルコース)
|
マイ・ペイすリボ活用
|
なし
|
なし
|
なし
|
なし
|
維持コスト
|
年会費と同じ
|
年会費と同じ
|
年会費と同じ
|
年会費と同じ
|
国際ブランド
|
VISA/Master/JCB/AMEX
|
VISA/Master/JCB
|
VISA/Master/JCB/AMEX/Diners
|
VISA/JCB/AMEX/Diners
|
マイル還元率
|
0.5%
|
0.5%
|
1.0%
|
1.0%*1/
1.3%*3/
1.5%
|
*1 ANAアメリカン・エキスプレスカード
*2 ANAダイナースカード
*3 JCBカード
パターン2:オプションを追加する場合
オプションとして「10マイルコース」を追加する場合のマイル還元率は以下のようになります(ANAアメリカン・エキスプレス・カードには、「ポイント移行コース」の6,600円を加算しています)。
<マイル還元率一覧(10マイルコース追加)>
|
一般カード
|
ワイドカード
|
ゴールド
|
プレミアム
|
年会費(税込)
|
2,200円/
7,700円*1 |
7,975円
|
15,400円/
29,700円*2/ 34,100円*1 |
77,000円*3/
88,000円/ 165,000円*2/ |
10マイルコース(税込)
|
5,500円*3/
6,600円
|
5,500円*3/
6,600円
|
自動
|
自動(15マイルコース)
|
マイ・ペイすリボ活用
|
なし
|
なし
|
なし
|
なし
|
維持コスト
|
7,700円*3/
8,800円/ 14,300円*1 |
13,475円*3/
14,575円 |
年会費と同じ
|
年会費と同じ
|
国際ブランド
|
VISA/Master/JCB/AMEX
|
VISA/Master/JCB
|
VISA/Master/JCB/AMEX/Diners
|
VISA/JCB/AMEX/Diners
|
マイル還元率
|
1.0%
|
1.0%
|
1.0%
|
1.0%*1/
1.3%*3/
1.5%
|
*1 ANAアメリカン・エキスプレスカード
*2 ANAダイナースカード
*3 JCBカード
この場合、「一般カード」「ワイドカード」「ゴールドカード」のマイル還元率は同じ「1.0%」となります。一方で「プレミアムカード」のみがマイル還元率「1.5%」と特出する形になります(三井住友カードの「VISA」およびダイナースカードの場合)。
しかしながら、「プレミアムカード」とそれ以外のカードとのマイル還元率の差は0.5%です。一方で維持コストの差は、三井住友カードの場合で「79,200円」あります。
マイルの価値は一般的に「1マイル=2円」程度と言われていますので、この維持コストの差を埋めるためには「792万円」の決済が必要になります。
クレジットカードで「792万円」以上決済するのであれば「プレミアムカード」を選択するのもありですが、そんな方はそうそういないと思います。
そのため、マイル還元率に着目し、かつコストパフォーマンスを求めるなら、アメックス以外の「一般カード(VISA/Master/JCB)」で十分だということになります。
ちなみに、「10マイルコース」の維持コストは6,600円(税込)です(注:JCBは5,500円(税込))。「10マイルコース」に入会するかどうかの決済額の分かれ目は「66万円」になります(JCBの場合は55万円)。
年間の決済額が66万円(55万円)を超えるようであれば、「一般カード」に「10マイルコース」を追加するのがオススメとなります。
マイルの価値はマイルの使い方によって変動します。「
パターン3:「マイ・ペイすリボ」の活用を考慮
「マイ・ペイすリボ」は、三井住友カードが発行しているクレジットカードのみで利用することができます。三井住友カードが発行しているクレジットカードは、国際ブランドとして「VISA」と「Master」を選択することができます。
そのため、「マイ・ペイすリボ」の活用を考慮した場合は、国際ブランドの選択が「VISA」と「Master」に限られるということになります(プレミアムの場合は「VISA」のみ提供)。
そのかわりに、「マイ・ペイすリボ」の手数料を発生させることでマイル還元率を「0.3%」底上げすることが可能になります。
このことから、「マイ・ペイすリボ」の手数料を発生させることでマイル還元率を最大化することを考慮した場合に、最もコストパフォーマンスが良いのは、三井住友カード発行の「一般カード(VISA/Master)」ということになります。
<マイル還元率一覧(「マイ・ペイすリボ」活用)>
|
一般カード
|
ワイドカード
|
ゴールド
|
プレミアム
|
年会費(税込)
|
2,200円
|
7,975円
|
15,400円
|
88,000円
|
10マイルコース(税込)
|
5,500円
|
5,500円
|
自動
|
自動
|
マイ・ペイすリボ活用
|
あり
|
あり
|
あり
|
あり
|
維持コスト
|
7,700円
|
13,475円
|
年会費と同じ
|
年会費と同じ
|
国際ブランド
|
VISA/Master
|
VISA/Master
|
VISA/Master
|
VISA
|
マイル還元率
|
1.3%
|
1.3%
|
1.3%
|
1.8%
|
JCBカードの「スマリボ」でも、リボ払い手数料を発生させることで、マイル還元率を「1.3%」にまで高めることができます。ただし、「スマリボ」の場合、リボ払いの設定金額を自分でコントロールできないため、リボ払い手数料が高額になってしまうリスクがあります。そのため、ボーナスポイント目当てでの利用はオススメできないため、当記事では割愛しています。詳細は以下の記事をご参照ください。
【上級者向け情報】ボーナスポイントは「JQみずほルート」に乗せることでANAマイル還元率をアップ
「ワールドプレゼント」のボーナスポイントを「JQみずほルート(JQセゾンルート)」に乗せることで、「1ポイント=3.5マイル」までANAマイルへの交換レートを高めることができます。
このテクニックを活用すると、各ANAカードのANAマイル還元率を最大で以下まで高めることができます。
<ANAマイル還元率(JQみずほルート適用時)>
- 一般カード、ワイドカード、ワイドゴールドカード:1.35%
- プレミアムカード:1.85%
「JQみずほルート」はクレジットカードを2枚用意する必要がある上にステップ数も多いため、上級者向けのテクニックになります。そのため、当記事では詳細を割愛しています。
詳細は以下にまとめておりますので、ご興味の方は合わせてご参照ください。
ANAカードを比較②:ANAカード特典
続いては、ANAカード特典を見ていきたいと思います。
基本的には、グレードが高くなるにつれて、ANAカード特典も充実していくという関係になっています。これらANAカードの特典でも大きく異なるのは「ラウンジ利用」と「搭乗ボーナスマイル」になります。
ラウンジ利用
ラウンジ利用に関しては、「ゴールドカード」以上で空港ラウンジが、「プレミアムカード」以上でANAラウンジ(国内線)が利用できるようになります。
また「プレミアムカード」の場合は、「プライオリティパス」を発行することもできます(本会員のみ)。
<ラウンジ利用特典>
- ゴールドカード、プレミアムカード:空港ラウンジ
- プレミアムカード:ANAラウンジ(国内線)、プライオリティパス
「空港ラウンジ」については、ANAカードだけでなく他のゴールドカードでも利用することができます。そのためここで注目すべきは「ANAラウンジ(国内線)」と「プライオリティパス」です。
ANAラウンジは、通常であればANAの上級会員もしくは国内線では「プレミアムクラス」、国際線では「ビジネスクラス」など、上位の座席クラスを選択した場合のみに利用できる特別なラウンジです。
国内線の「普通席」や国際線の「エコノミークラス」でもANAラウンジが利用できるような上級会員になるには、50万円ほどのコストが必要と言われています。
上級会員になりたいがためにわざわざ飛行機に乗る方もいるぐらいで、これをマイル修行や飛行機修行などと呼んでいます。
「プレミアムカード」の年会費は「77,000円」からと高額なものの、修行することなくANAラウンジが利用できるようになるというのは魅力的ではあります。
ただし、「プレミアムカード」の特典で利用できるのは、国内線の「ANAラウンジ」のみです。国際線の「ANAラウンジ」は利用できないため、国際線の利用が多い方にはメリットが小さくなってきます。
国際線の利用が多い方は「SFC」がオススメです。ANA上級会員の特典を半永久的に延長することができる「SFC(スーパーフライヤーズカード会員)」の特典とメリットについては以下の記事をご参照ください。
搭乗ボーナスマイル
搭乗ボーナスマイルは、ANAのフライトを有償で利用した場合に獲得できるものです。特典航空券で利用した場合は獲得できないため注意が必要です。
「一般カード」の場合のボーナスマイルは10%だけですが、「ワイドカード」「ゴールドカード」になると25%、「プレミアムカード」になると破格の50%ボーナスになります。
<搭乗ボーマスマイル>
- 一般カード:10%
- ワイドカード、ゴールドカード:25%
- プレムアムカード:50%
ただし、「プレミアムカード」は前述のとおり年会費も破格の高額設定になっているため、有償でANAのフライトを利用する機会が多い場合は、「ワイドカード」と「ゴールドカード」から選択するのが一般的です。
詳細は次のセクションでご紹介しますが、三井住友カードには年会費割引特典が用意されており、それを考慮すると「ワイドカード」よりも「ゴールドカード」の方が維持費は安くなります(10マイルコース入会時)。
そのため、基本的には特典が充実している「ゴールドカード」を選択するのがオススメになります。
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ANAカード特典を比較
ANAカード特典を一覧でまとめると以下のようになります。「一般カード」と「ワイドカード」で差がありますが、「ワイドカード」と「ゴールドカード」はそれほど違いがないことがわかります。
一方で、「ゴールドカード(ワイドゴールド)」と「プレミアムカード」とは、入会・継続マイルや搭乗ボーナスなどで大きな差がある形になっています。
|
一般カード
|
ワイドカード
|
ゴールド
|
プレミアム
|
年会費(税込)
|
2,200円/7,700円*1
|
7,975円
|
15,400円/
29,700円*2/ 34,100円*1 |
77,000円*3/
88,000円/ 165,000円*2/ |
国際ブランド
|
VISA/Master/JCB/AMEX
|
VISA/Master/JCB
|
VISA/Master/JCB/AMEX/Diners
|
VISA/JCB/AMEX/Diners
|
入会・継続マイル
|
1,000マイル
|
2,000マイル
|
2,000マイル
|
10,000マイル
|
搭乗ボーナスマイル
|
フライトマイルの10%プラス
|
フライトマイルの25%プラス
|
フライトマイルの25%プラス
|
フライトマイルの50%プラス
|
ANAスカイコイン交換率
|
1マイル最大1.5倍
|
1マイル最大1.5倍
|
1マイル最大1.6倍
|
1マイル最大1.6倍
|
ビジネスクラスチェックインカウンターの利用
|
–
|
◯
|
◯
|
◯
|
空港ラウンジ利用
|
△*1
|
–
|
◯
|
◯
|
ANAラウンジ(国内線)利用
|
–
|
–
|
–
|
◯
|
プライオリティパスの発行
|
–
|
–
|
–
|
◯
|
ANA機内販売での割引
|
10%
|
10%
|
10%
|
10%
|
ANA空港免税店での割引
|
5%
|
10%
|
10%
|
10%
|
ANA FESTAでの割引
|
5%
|
5%
|
5%
|
5%
|
*1 ANAアメリカン・エキスプレスカード
*2 ANAダイナースカード
*3 JCBカード
ANAカードを比較③:割引特典を考慮した維持コスト
最後は、年会費の割引特典を考慮した維持コストを比較したいと思います。三井住友カード発行のANAカードのみの限定になってしまいますが、以下2つの年会費割引特典が用意されています。
<年会費割引特典>
- 特典1:カード利用代金WEB明細書サービス利用で年会費割引(2年目以降)
- 特典2:マイ・ペイすリボ申込&利用で年会費割引(初年度以降)
特典1については2年目以降からの適用になりますが、特典2については初年度から適用可能です。ただし、特典2については、登録するだけでは駄目で、年1回以上リボ払い手数料が発生することが条件になっています。
また、特典1と2は、基本的にはどちらか一方のみの適用になりますが、「ゴールドカード(ワイドゴールドカード)」のみ、両方の特典を合算することができます。
一方で「プレミアムカード」の場合は年会費割引特典を利用することができません。
以下では、この特典1と2、それぞれを適用した場合、および、特典1と2の両方を適用した場合の年会費をそれぞれまとめていきたいと思います。
「一般カード」の場合、初年度は年会費無料の特典があります。これは、三井住友カード発行のANAカードだけではなく共通の特典になります。以下の比較ではこれについては省略します。
特典1適用時の年会費
特典1「カード利用代金WEB明細書サービス利用で年会費割引(2年目以降)」を適用した時の年会費をまとめると以下になります。「一般カード」「ワイドカード」で550円割引、「ゴールドカード」で1,100円の割引を受けることができます。
割引額が「ゴールドカード」の方が高いため、「10マイルコース」に入会する場合には、「ワイドカード」との年会費の差がぐっと小さくなるのがわかります。
<特典1適用時の年会費(オプションなし)>
|
一般カード
|
ワイドカード
|
ゴールド
|
プレミアム
|
年会費(税込)
|
2,200円
|
7,975円
|
15,400円
|
88,000円
|
10マイルコース(税込)
|
なし
|
なし
|
自動
|
自動
|
割引額(税込)
|
-550円
|
-550円
|
-1,100円
|
なし
|
合計(税込)
|
1,650円
|
7,425円
|
14,300円
|
88,000円
|
<特典1適用時の年会費(10マイルコース入会時)>
|
一般カード
|
ワイドカード
|
ゴールド
|
プレミアム
|
年会費(税込)
|
2,200円
|
7,975円
|
15,400円
|
88,000円
|
10マイルコース(税込)
|
6,600円
|
6,600円
|
自動
|
自動
|
割引額(税込)
|
-550円
|
-550円
|
-1,100円
|
なし
|
合計(税込)
|
8,250円
|
14,025円
|
14,300円
|
88,000円
|
特典2適用時の年会費
特典2「マイ・ペイすリボ申込&利用で年会費割引(初年度以降)」を適用した時の年会費をまとめると以下になります。「ゴールドカード」の割引額が大きくなるのが特徴です。
これにより、「10マイルコース」に入会する場合には、「ワイドカード」よりも「ゴールドカード」の方が、維持コストが安くなるという逆転現象が発生します。
<特典2適用時の年会費(オプションなし)>
|
一般カード
|
ワイドカード
|
ゴールド
|
プレミアム
|
年会費(税込)
|
2,200円
|
7,975円
|
15,400円
|
88,000円
|
10マイルコース(税込)
|
なし
|
なし
|
自動
|
自動
|
割引額(税込)
|
-1,073円
|
-1,073円
|
-3,850円
|
なし
|
合計(税込)
|
1,127円
|
6,902円
|
11,550円
|
88,000円
|
<特典2適用時の年会費(10マイルコース入会時)>
|
一般カード
|
ワイドカード
|
ゴールド
|
プレミアム
|
年会費(税込)
|
2,200円
|
7,975円
|
15,400円
|
88,000円
|
10マイルコース(税込)
|
6,600円
|
6,600円
|
自動
|
自動
|
割引額(税込)
|
-1,073円
|
-1,073円
|
-3,850円
|
なし
|
合計(税込)
|
7,727円
|
13,502円
|
11,550円
|
88,000円
|
特典1と2の両方を適用した場合
特典1と2の両方を適用できるのは「ゴールドカード(ワイドゴールドカード)」のみとなります。これを加味した場合の、「ゴールドカード」の年会費は10,450円となります。
「10マイルコース」に入会する場合、「ワイドカード」との年会費の差はさらに広がります。「ワイドカード」よりも維持コストは3,052円もお得となります。
<ワイドカードとゴールドカードの維持コストの比較>
|
ワイドカード
|
ゴールド
|
年会費(税込)
|
7,975円
|
15,400円
|
10マイルコース(税込)
|
6,600円
|
自動
|
特典1の割引額(税込)
|
なし(両方は適用できない)
|
-1,100円
|
特典2の割引額(税込)
|
-1,073円
|
-3,850円
|
合計(税込)
|
13,502円
|
10,450円
|
これにより、ANAのフライトを有償で利用する場合は特典が充実していて維持コストも低い「ゴールドカード」を選択するのがオススメだということがわかりますね。
「一般カード」と「ゴールドカード」の実質的な維持コストの違い
特典1と2の両方を適用することで、「ゴールドカード(ワイドゴールドカード)」の年会費が割安になるため、実は、「一般カード」との維持コストの差も小さくなっています。
加えて、ANAカード特典の1つである「入会・継続マイル」を円の価値に換算すると、この差はさらに小さくなります。
「入会・継続マイル」は、「一般カード」は1,000マイル、「ゴールドカード」は2,000マイルとなっていました。これは、ANA便の搭乗実績に関係なく、毎年自動的に加算されるものです。
一般的なマイルの価値である「1マイル=2円」を適用すると、実質的な維持コストは以下のようになります。
<一般カードとゴールドカードの維持コスト(実質)の比較>
|
一般カード
|
ゴールド
|
年会費(税込)
|
2,200円
|
15,400円
|
10マイルコース(税込)
|
6,600円
|
自動
|
特典1の割引額(税込)
|
なし(重複できないため)
|
-1,100円
|
特典2の割引額(税込)
|
-1,073円
|
-3,850円
|
入会・継続マイルの価値
|
-2,000円
|
-4,000円
|
合計(税込)
|
5,727円
|
6,450円
|
「ゴールドカード」の実質的な維持コストは6,450円まで抑えることができるということがわかります。これにより、「一般カード」と「ゴールドカード」の維持コストの差は、実質的には723円となります。
これぐらいの差であれば、ANAカードとしての特典と保険が充実している「ゴールドカード」を初めから選択しておくのもオススメです。
ANAカードの選び方とオススメの1枚
ANAカードの選び方をまとめると以下のようになります。
まずStep1として、クレジットカードの決済額からグレードを決めます。その後Step2として、年会費割引特典の有無や生活パターンから発行元と提携カードを選択します。
<ANAカードの選び方>
- Step1:クレジットカードの決済額からグレードを選択
- Step2:年会費割引特典の有無や生活パターンから発行元と提携カードを選択
このグレードと発行元および提携カードの組み合わせにより、ぴったりの1枚を選ぶことができます。
国際ブランドについては、発行元(もしくは提携カード)によって選択できるもの、できないものがあるため、自動的に決まる部分もあります。
基本は、好みや既に保有しているブランドとの兼合いで選択いただければと思います。
Step1:決済額からグレードを選択
年間のANAカード決済額が792万円以上
- =>「プレミアムカード」
- ANAラウンジ(国内線)の利用特典があるため、飛行機修行をしたくないという方にもオススメ
年間のANAカード決済額が66万円以上
- =>「一般カード+10マイルコース」もしくは「ゴールドカード(ワイドゴールドカード)」
- ANA便を有償で利用する機会が多い場合は、ANAカードとしての特典と保険が充実している「ゴールドカード(ワイドゴールドカード)」がオススメ
年間のANAカード決済額が66万円以下
- =>「一般カード(オプションなし)」
- まずは「一般カード(オプションなし)」に入会して様子をみるのがオススメ
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Step2:提携カードの選択
Step1で「プレミアムカード」を選択した場合
マイル還元率が最大1.8%となる三井住友カード発行の「プレミアムカード」オススメです。国際ブランドは「VISA」のみ用意されており、「ANA VISAプラチナ プレミアムカード」という名称になります。
ただ、年会費は88,000円と高額であり、年会費割引特典も利用できませんので、ご入会の際はコストに見合うかよくよくご検討ください。
Step1で「ゴールドカード(ワイドゴールドカード)」を選択した場合
マイル還元率が最大1.3%となる三井住友カード発行の「ワイドゴールドカード」がオススメです。年会費割引特典を最大限活用することで、10,450円で維持することもできます。
国際ブランドは「VISA」と「Master」から選択することができ、名称は「ANA VISAワイドゴールドカード」および「ANA マスターワイドゴールドカード」となります。
「ANA VISAワイドゴールドカード」の詳細は以下の記事でも解説しております。合わせてご参照ください。
ANAマイル還元率よりも付帯保険の充実さを重視する場合は「ANA JCBワイドゴールドカード」もオススメです。詳細は以下の記事をご参照ください。
Step1で「一般カード+10マイルコース」もしくは「一般カード(オプションなし)」を選択した場合
マイル還元率が最大1.3%となる三井住友カード発行の「一般カード」がオススメです。年会費割引特典を活用することで、維持コストも抑えることができます。
三井住友カードが発行する一般カードには提携カードを含めて以下の種類があります。
<三井住友カードが発行する一般カード>
- ANAカード(VISA/Master)
- ANA TOKYU POINT ClubQ PASMO マスターカード
- ANA VISA nimocaカード
- ANA VISA Suicaカード
この中で、特にオススメなのは「ANA TOKYU POINT ClubQ PASMO マスターカード」です。こちらは、東急グループのポイントカード機能とANAカード機能が合体したクレジットカードです。通称「ANA TOKYUカード」と呼ばれています。
「ANA TOKYUカード」は、ANA陸マイラー御用達である「TOKYUルート」の実現に必須となっているクレジットカードです。
そのため、「ANA TOKYUカード」があれば、空(そら)でも陸(おか)でもマイルを貯めていくことができるため一石二鳥です。
「TOKYUルート」および「ANA TOKYU POINT ClubQ PASMO マスターカード」の詳細については、それぞれ以下の記事をご参照ください。
「ANA TOKYU POINT ClubQ PASMO マスターカード」をはじめとする提携カードの場合、年会費割引特典による割引額が大きくなっているため、通常の「ANAカード(VISA/Master)」に比べて、維持コストが割安になります。具体的には以下のようになっています。
<一般カードの最低維持コストの比較>
ANAカード(VISA/Master) | ANA TOKYU POINT ClubQ PASMO マスターカード | ANA VISA nimocaカード | ANA VISA Suicaカード | |
年会費(税込)
|
2,200円 | 2,200円 | 2,200円 | 2,200円 |
特典1の割引額(税込) | -550円 | -550円 | -550円 | -550円 |
特典2の割引額(税込)
|
-1,073円 | -1,374円 | -1,374円 | -1,374円 |
最低維持コスト(特典2適用時)
|
1,127円 | 826円 | 826円 | 826円 |
そういう意味でも、「ANAカード(VISA/Master)」よりも「ANA TOKYU POINT ClubQ PASMO マスターカード」の方がオススメというようにも言えます。
ちなみに、「一般カード」は「入会・継続マイル」として、毎年1,000マイルを自動的に獲得できます。これを踏まえると、「一般カード」の実質的な維持コストは「プラス」というようにも考えることができ、ANAユーザーであれば持っていないと損とも言えます。
旅行好きな方はSPGアメックスとの併用もオススメ
ANAカードでマイル還元率を最大化するには「マイペイすリボ」の活用が前提となります。
毎月「マイペイすリボ」の金利を発生させない場合は、マイル還元率が0.3%下がるため、「一般カード」から「ゴールドカード(ワイドゴールド)」のマイル還元率は最大1.0%ということになります。
ただ、毎月「マイペイすリボ」の金利を発生させる作業は少々面倒なのも事実です。
そんなめんどくさがりの方には、「SPGアメックス」がオススメです。「SPGアメックス」は、世界最大のホテルチェーンであるマリオットグループの会員カードとクレジットカード機能が合わさったクレジットカードです。その名前のとおりAMEXが発行しています。
この「SPGアメックス」のマイル還元率は最大1.25%です。しかも、SPGアメックスの場合は、貯められるのはJALマイルだけではありません。JALを含む世界40以上の航空会社のマイルに交換することができます。柔軟性が高いのが特徴となっています。
「SPGアメックス」は年会費が31,000円(税抜)と高額ですが、毎年の継続で1泊分の無料宿泊特典を獲得することができます。そのため、年1回以上ホテル宿泊をする方であれば年会費の負担を相殺することができます。
私の場合は、「SPGアメックス」のマイル還元率の高さに着目し、ANAマイルを貯める決済用のメインカードには「SPGアメックス」を利用しています。
そして、ANA陸マイラーとして御用達になっている「TOKYUルート」の実現のため、「ANA TOKYU POINT ClubQ PASMO マスターカード」も保有しています。
つまり、ANAマイルを貯めるクレジットカード編成としては、「SPGアメックス」と「ANA TOKYU POINT ClubQ PASMO マスターカード」の2枚体制としています。また、SFCカードとして「ANA VISA ワイドゴールドカード」も保有しています。
<ANAマイルを貯めるクレジットカード編成>
- メイン:SPGアメックス
- ショッピング決済(マイル還元率最大1.25%)に活用。旅行保険、空港ラウンジなど、「ANA TOKYU POINT ClubQ PASMO マスターカード」が弱い部分も補完。
- サブ①:ANA TOKYU POINT ClubQ PASMO マスターカード
- 「TOKYUルート」の実現に活用。継続マイルや搭乗ボーナスなどANAカード特典も利用
- サブ②:ANA VISA ワイドゴールドカード(SFCカード)
- SFCのステータス維持に保持。継続マイルや搭乗ボーナスなどANAカード特典も利用
「SPGアメックス」の豊富な特典とメリット、デメリットは以下の記事で詳しく解説しております。こちらもぜひご参照ください。
まとめ:最適なANAカードを見つけて効率的にマイルを貯めていきましょう!
今回は、陸マイラー的な視点でオススメの1枚の選び方を解説していきました。ANAカードの場合は、選択するグレードによってマイル還元率が変わってきますので、年間の決済額を軸に年会費と比較しながらグレードを選択するのが重要になります。
ただ「プレミアムカード」の年会費は高すぎるところがあるので、基本的には「ゴールドカード(ワイドゴールドカード)」と「一般カード」のどちらがよいか、という観点で比較することになります。
ANA便を有償で利用する機会が多い方はANAカードとしての特典と保険が充実している「ゴールドカード(ワイドゴールドカード)」が、そうでない方は「一般カード」を選択するのがオススメです。
中でも、年会費割引特典が得られマイル還元率も最大化できる三井住友カードの以下のANAカードがオススメになります。
- ANAワイドゴールドカード(VISA/Master)
- ANA TOKYU POINT ClubQ PASMO マスターカード
また、毎月「マイペイすリボ」の金利を発生させるのが面倒な方には「SPGアメックス」もオススメです。「SPGアメックス」と「ANA TOKYU POINT ClubQ PASMO マスターカード」の2枚体制とすることで、ストレスなくANAマイルを効率的に獲得していくことができます。
陸マイラーが大量ANAマイルを貯める方法についてはこちらの記事をご参照ください。初心者の方でも年18万マイルを貯められる方法を詳しくご紹介しています。
また、陸マイラーにオススメのクレジットカード編成についてはこちらの記事でまとめております。合わせてご参照ください。
それでは、また!
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