ANAがPeach(ピーチ)とのコードシェアを開始!違いと見分け方、価格差、マイルを解説!
ANAがPeach(ピーチ)とのコードシェアが8月27日からスタートしました。コードシェアの場合、運行会社側のサービスやルールが適用されますが、PeachはLCCのためフルキャリアであるANAとは大きな違いがあるため注意となっています。当記事では、ANA運行便とPeach運行便のサービス内容の違いから、見分け方、マイル、価格差まで詳しく解説していきたいと思います。
目次
ANAがPeach(ピーチ)とのコードシェアを開始
Peachとのコードシェア便を8月27日から運行スタート
ANAは、LCCであるPeach(ピーチ)とのコードシェア(共同運航)を一部路線で開始することを発表しました。販売は、8月2日から既に開始されており、実際の運行は2021年8月27日からスタートします。
設定路線は以下になります。東京(成田)発着の札幌(千歳)、福岡、沖縄(那覇)便、および名古屋(中部)発着の、札幌(千歳)、福岡、沖縄(那覇)便の一部が対象となっています。
<コードシェア設定路線>
当面の設定対象便は以下になります。「MM」というのがPeach便名、「NH」というのがANA便名になります。使用機材は「Airbus A320」で、Peachの機材・乗務員による運行となります。
<コードシェア設定対象便>
コードシェア便にはANAの運賃が設定されマイルやPPは通常どおり加算
コードシェア便の場合Peach(ピーチ)による運行になるもの、運賃はANA運行便と同等になります。ANAFLEXやANA VALUE/ANA SUPER VALUEなどANAの運賃が設定されます。
また、ANAの運賃が適用されることから、コードシェア便であってもANAからチケットを購入していれば、ANAのルールでマイルやPP(プレミアムポイント)が付与されます。この点はちょっと安心ですね。
対象路線は順次拡大する計画
ANAの発表レーターでは、対象路線は順次拡大する計画となっています。
今後、ANAとPeach(ピーチ)で就航路線が重複しているところに関しては、ANAを減便して、その分をPeach運行便で補うという動きが加速するのかもしれません。
PeachはANAの傘下になっていますから、コロナ禍で経営状況が思わしくない中、グループ全体での効率化は必然なのかもしれません。
Peachの就航路線の概要図は以下になります。まだまだ候補はたくさんありそうです。
Peach(ピーチ)とのコードシェアに関するANAの発表レターはこちらになります。
ANA運行便とPeach(ピーチ)運行便のサービス内容とルールの違い
コードシェア便では運行会社側のサービスやルールが適用
コードシェア便でもANAでチケットを購入していれば、ANAのルールでマイルやプレミアムポイント(PP)は通常どおりに加算されます。
しかしながら、空港サービスや機内サービス、手荷物のルールなどは、便を運行する航空会社側に従う必要があります。今回の場合で言えば、Peach運行便の場合はPeach側のサービスやルールが適用されるということになります。
ここでは、いくつかの切り口でANA運行便とPeach運行便のサービス内容の違いをまとめていきたいと思います。
空港サービスの違い
まず空港でのサービスについてです。
全体的に、Peach運行便ではANA運行便に比べて締め切りまでの時間が短く、融通が効きにくくなっています。
特に、搭乗手続きは注意が必要です。ANAでチケットを購入しているにもかかわらず、Peachカウンター設定の自動チェックイン機で行う必要があります。
しかも、チェックイン時間は「出発時刻の90分前から30分前まで」と制限されています。早めにチェックインしてラウンジでゆっくりするという楽しみ方が難しくなってしまいます。
また、オンラインチェックインやスキップサービスも利用不可となっているためANAで慣れている方は注意が必要です。
<空港サービスの違い>
項目 | Peach運航便 | ANA運航便 |
---|---|---|
搭乗手続き | 出発時刻の90分前から30分前までに、eチケットお客様控(2次元バーコード)をご持参の上、Peachカウンター設置の自動チェックイン機にてチェックイン
※オンラインチェックイン・スキップサービス利用不可 |
オンラインチェックイン・スキップサービス・ANAカウンター設置の自動チェックイン機にてチェックイン |
保安検査場締切時刻 | 出発時刻の25分前まで | 出発時刻の20分前まで |
搭乗口 | 出発時刻の20分前まで | 出発時刻の10分前まで |
航空券購入手続き | 出発時刻の180分前まで | 出発時刻の20分前まで |
座席指定 | 出発時刻の180分前までに座席指定が必要 | 搭乗日当日までに座席指定、または当日オンラインチェックイン・自動チェックイン機にて指定 |
スルーチェックイン(乗り継ぎ手続きおよび手荷物のお預かり) | Peach運航便から、またはPeach運航便へのスルーチェックインは不可
※乗り継ぎ空港にて手荷物を引き取りのうえ再度手続きが必要 |
可能 |
手荷物ルールの違い
続いては手荷物のルールです。
まず、機内持ち込み手荷物に関しては、Peach(ピーチ)の場合は7kgまでと、ANAの10kgに比べて制限が強くなります。
また、預け荷物(受託手荷物)に関しては、Peachの場合は1個20kgまでしか無料で預けることができません。2個目以降は有料での追加料金が必要となってしまいます。
しかも、Peachの場合はスポーツ用品は1品目からスポーツ用品料金が必要になってしまいます。
ANAの場合は1個あたり20kgまであれば、基本的には個数制限なく無料で預けることができますので、ここは大きな違いとなります。
項目 | Peach運航便 | ANA運航便 |
---|---|---|
機内持ち込み手荷物 | 7.0 kgまで | 10 kgまで |
無料手荷物許容量 (無料でお預かりする手荷物) |
1個(20 kg)まで | 20 kgまで(個数制限なし) |
スポーツ用品 | スポーツ用品料金がかかります。 スキー・スノーボード・ゴルフ・自転車・サーフボード※ |
一般手荷物と同様の取扱い |
超過手荷物料金 お支払場所/お支払方法 |
Peachカウンター※ | ANAカウンター |
ペットのお預かり | 不可 | 可能 |
※クレジットカード、ピーチポイントでの支払いのみ可能、現金での支払い不可
Peachの受託手荷物料金は以下になります。スポーツ用品の追加料金はなかなか高額ですね。ゴルフやサーフィンなどスポーツをする方は特に注意が必要となっています。
機内サービスの違い
続いては機内サービスです。
Peach(ピーチ)はLCCであるため無料のドリンクサービスはありません。ドリンクやフードは有料で提供されます。また、シートピッチ(座席の間隔)もANAに比べて2インチほど狭くなっています。
2インチというのは約5センチの差ですが、実際に利用してみると数字以上に狭く感じるかもしれません。
項目 | Peach運航便 | ANA運航便 |
---|---|---|
ドリンクサービス | 有料 | 無料 |
シートピッチ | 29インチ(約74センチ) | 31インチ(約79センチ) |
プレミアムメンバーサービスの違い
ANAの上級会員であれば気になるのがプレミアムメンバーサービスですよね。Peach運行便の場合は「ラウンジ」と「優先保安検査場」のみが利用可能となっています。
「手荷物許容量の優待」や「優先チェックインカウンター」「手荷物受取の優先」などは利用できませんので注意が必要です。
項目 | Peach運航便 | ANA運航便 |
---|---|---|
プレミアムメンバーサービス | ご利用可能:ラウンジ、優先保安検査場 ご利用不可:空席の優先待ち、手荷物許容量の優待、優先チェックインカウンター、優先搭乗案内、手荷物受取の優先 |
プレミアムメンバーサービスあり |
ちなみに、プレミアムメンバーサービスとして利用可能な「ANAラウンジ」は、一般的にANA運行便に便利な場所に位置しています。
そのため、Peach運行便の搭乗口からは離れている可能性があります。この観点からもPeach運行便は不便と言えますね。
Peach運行便の見分け方と購入方法による価格差
Peach運行便とANA運行便とではサービス内容の大きな違いがありますので、せっかくANAからチケットを購入するのであれば極力避けたいというのが本音だと思います。
ここでは、Peach運行便の見分け方と、Peachで同じ便を購入した場合の価格差を確認しておきたいと思います。
Peach運行便の見分け方
こちらはANAの公式サイトから、2021年11月6日の「東京(成田)=>札幌(千歳)」路線の空席を検索してみたものです。
このうち、ANA便名の隣に「APJ運行」と記載されているものがPeach運行便になります。この日は5便あるうちの3便がPeach運行便になっているのがわかりますね。
逆に言えば、残りの2便のみがANA運行便ということになります。ANA運行便の場合はプレミアムクラスの設定がありますので、ここでも見分けることもできますね。
上下の価格を比べてみていただけるとわかりますが、Peach運行便だからといって、ANA運行便より特段安くなっているわけではありません。
ANA便名になっただけでANA運行便と同等の価格設定になっているのは怖いところですね・・。
ちなみに、Peach運行便を選択して購入画面に進もうとすると以下のようなポップアップが画面に表示されます。Peach運行便が含まれていることをお知らせしてくれるのは意外と親切です。
こういうポップを出しておかないと、後からトラブルにあるのを恐れているのかもしれませんね。
Peach運行便のANA公式サイトとPeach公式サイトの価格差
Peach運行便は当然ながらANAの公式サイトからだけではなく、Peachの公式サイトからも購入することができます(注:Peachの公式サイトから購入した場合は、ANAマイルやPPは貯まりません)。
同じ2021年11月6日(調査時点から約2ヶ月後)の「東京(成田)=>札幌(千歳)」路線の価格を表示してみると以下のようになります。このうち、赤枠の3便がANAとのコードシェア便ということになりますね。
価格は、一番ベーシックな「バリューピーチ」でともに「6,990円」となっています。
ANAの場合は、一番廉価であった「スーパーバリュー」であっても12,000円から13,000円ほどどなっていましたので、Peachから購入した方が40%ほど安いということになりますね。
表にまとめると以下のようになります。
<Peach運行便の価格差(11月6日)>
ANA便名の価格(スーパーバリュー) | Peach便名の価格(バリューピーチ) | 価格差 / 割引率 | |
ANA4201 / MM565 | 13,020円 | 6,990円 | 6,030円 / 46.3% |
ANA4229 / MM567 | 12,020円 | 6,990円 | 5,030円 / 41,8% |
ANA4205 / MM583 | 12,020円 | 6,990円 | 5,030円 / 41,8% |
ちなみに、この価格差は日程が近くなるとより大きくなります。以下は9月4日(調査時点から約1週間後)のものです。
Peachから購入した方が7割ほど安くなりますね(ANAは日程が近くなるとスーパーバリューが終売するためバリューとの比較になります)。
<Peach運行便の価格差(11月6日)>
ANA便名の価格(バリュー) | Peach便名の価格(バリューピーチ) | 価格差 / 割引率 | |
ANA4203 / MM565 | 27,120円 | 8,240円 | 18,800円 / 69.3% |
ANA4205 / MM567 | 26,020円 | 7,540円 | 18,480円 / 71,0% |
フライトスケジュールの関係でPeach運行便を使わざるを得ない場合は、Peachの公式サイトを確認して、料金を比較することが重要であることがわかりますね。
同じサービスを利用するのであれば、価格は安いに越したことはありません。
まとめ
当記事では、ANAがPeach(ピーチ)とのコードシェアを開始したニュースをご紹介しました。
コードシェアの場合、運行会社側のサービスやルールが適用されますが、PeachはLCCのためフルキャリアであるANAとは大きな違いがあるため注意となっています。
せっかくANAからチケットを購入するのであれば、価格に見合ったサービスを受けるためにもPeach運行便を避けて利用するのがオススメです。
時間的にPeach運行便しか選択肢がない場合は、Peach公式サイトの価格と比較してから判断することが重要です。
ただ、基本的にはPeachから購入した方が4割から7割ほど安くなるはずですから、Peachから購入するのがオススメです。
その場合、マイルやPPは貯められませんが、そもそもマイルは陸マイラーとして獲得した方が効率的ですからね。
サービスの発表レターには、今後対象路線を拡大予定との記載もあります。
チケットを購入してから「こんなはずじゃなかった」という自体にならないように、Peachに限らず運行会社を確認するクセをつけたいですね。
ANA側には、LCCをコードシェアに加えるのであれば、そのサービス内容に見合った価格設定にしてもらいたいところです(ANA運行便に比べて3割ほど安くする、など)。
そうすれば、PP単価が安くなってステータス修行用の路線として人気化するようなこともあると思うのですが・・。
それでは、また!