オーストリア航空ビジネスクラス搭乗記(2)機内食からシート、アメニティーまで徹底レポート!<ウィーン-上海>
今回は、オーストリア航空ビジネスクラス「ウィーンから上海まで」のフライトの様子をご紹介します。オーストリア航空の長距離線ビジネスクラスでは「空飛ぶシェフ(フライングシェフ)」が帯同しており、機内で料理を仕上げるのが特徴になっています。また、ウィーンのカフェさながらの多彩なコーヒーメニューを楽しむこともできます。当記事では、そんな「オーストリア航空ビジネスクラス」の機内食から座席(シート)、アメニティーまで詳しくご紹介していきたいと思います。
目次
オーストリア航空ビジネスクラス:フライトスケジュール
今回の、2019年ゴールデンウィークのイタリア旅行におけるフライトスケジュールは以下のようになっています。
イタリアまでの往路には「ルフトハンザ航空」のビジネスクラス、イタリアから日本までの復路には「オーストリア航空」と「ANA」のビジネスクラスを利用する計画となっています。
<イタリア旅行2019フライトスケジュール>
- 往路
- 東京(羽田) – フランクフルト(LH717便)、14:05発18:45着
- フランクフルト – ローマ(LH242便)、21:55発23:40着
- 復路
- ヴェネツィア – ウィーン(OS522便)、10:55発12:10着
- ウィーン – 上海(OS075便)、13:50発06:10着(翌日)<=今回ご紹介
- 上海 – 成田(NH922便)、10:15発14:20着
今回の記事でご紹介するのは、復路の2番目のフライト(2レグ目)となる、「ウィーンから上海」までのフライトの様子となります。飛行時間は「10時間20分」となりました。
復路の1番目のフライト(1レグ目)となる、「ベネチアからウィーン」までのフライトの様子についてはこちらの記事をご参照ください。
オーストリア航空ビジネスクラス搭乗記:空港サービス
さて、前置きが長くなりましたが、ここからは「オーストリア航空ビジネスクラス搭乗記」をお送りしたいと思います。
記事の前半は「空港サービス」、後半は「機内サービス」ということで、まずは「空港サービス」からご紹介していきます。
空港ラウンジ
「ベネチアからウィーン」への移動は、シェンゲン協定内の移動でしたが、これから利用する「ウィーンから上海」への移動は、当然ながらシェンゲン協定外の移動となります。
ですので、ウィーンの空港ではパスポートコントロールを通過する必要があります。利用する予定であった「ゲートG」はパスポートコントロールの後にありますので、まずはパスポートコントロールを通過しました。
その後は、お待ちかねの空港ラウンジの利用です。今回我々はビジネスクラスのチケットとなりますので、航空会社ラウンジを利用することができます。
「ゲートG」近くには、オーストリア航空の空港ラウンジがありましたので、今回はこちらを利用させていただくことにしました。
オーストリア航空の空港ラウンジは、ナチュラルでシンプルな内装が印象的な、快適で使いやすいラウンジでした。ウィーン空港のオーストリア航空ラウンジの詳細はこちらの記事をご参照ください。
優先搭乗
空港ラウンジで搭乗時間ギリギリまで寛いだ後は、搭乗ゲートに移動しました。搭乗ゲートには、こちらの写真のように、既に多くの方があつまっていました。
今回我々はビジネスクラスのチケットとなりますので、優先搭乗を利用することができました。今回のように搭乗ゲートが混雑しているような状況ですと、優先搭乗のありがたさを実感することができますね。
ゲート通過後は、お楽しみのビジネスクラスにスイスイと搭乗しました。
オーストリア航空ビジネスクラス搭乗記:機内サービス
機内の雰囲気と座席(シート)
オーストリア航空のビジネスクラスの座席(シート)はこんな感じです。機材は「B777-200ER」です。
座席(シート)の横にはサイドテーブルがあり、そのサイドテーブルの下に後ろの座席の方の足が入り込むという、網目模様(スタッガード)の座席配置となっています。
座席(シート)の色は茶色と赤をベースにしていて、ちょっとJAL(日本航空)っぽいですね。
座席の配列としては、「1-2-1」と「2-2-2」が交互に並ぶ形になっています。我々は2人での利用でしたので、中央の2席を事前に指定していました。
窓側の「1」については、当然ながら人気が高いようです。左右にサイドテーブルがあり、3席分の幅を一人で占有できるのは羨ましいですよね。
シートの上には、あらかじめ、枕と毛布が用意されていました。パステルな感じの優しい色合いが印象的です。日本の航空会社では、なかなか見かけないですよね。
座席の正面には、大型の液晶テレビが用意されています。また、液晶テレビの下は空洞のスペースになっていて、シートを倒した際には足を伸ばして入れることができるようになっています。
座席横にはリモコンが格納されており、こちらでコントロールできるようになっています。シンプルな設計がおしゃれです。
ヘッドフォンは、ノイズキャンセリング機能付きのものでした。さすがビジネスクラスといった感じです。
シートについては、座席の横にタッチパネルが用意されており、こちらで細かく調整できるようになっています。こちらのボタンを利用して、シートをフルフラットにすることもできます。意外とハイテクです。
また、隣の座席との中間スペースには、電源やイヤホンジャックなどが用意されています。電源は、プラグ形式とUSB形式の両方が用意されており、今時の設備になっています。
電源の下には、ちょっとした小物入れのスペースもあり、充電中のスマホなどを入れることができるようになっています。とても便利です。
アメニティー
アメニティーも、枕や毛布と一緒に、あらかじめシートに用意されていました。こちらの写真のように、オーストリア航空のシンボルマークがつけられた、布製のポーチが提供されました。
ポーチの中身はこんな感じです。アイマスク、靴下、歯ブラシ、イヤホン、リップクリーム、フェイスクリームが入っていました。
リップクリームおよびフェイスクリームには「WienerBlut」というブランド名が記載されていました。私は知りませんでしたが、ウィーンの化粧品ブランドのようです。
あと、写真を撮り忘れてしまいましたが、使い捨てのスリッパについてもちゃんと提供されていました。
ウェルカムドリンク
離陸前のちょっとした空き時間には、ウェルカムドリンクの提供がありました。
お酒などもオーダーできるようでしたが、お酒は機内食と合わせてゆっくりいただきたかったため、とりあえず、お水とオレンジジュースをお願いしました。
すると、どちらにも、レモンが添えられてやってきました。ちょっとした気遣いが嬉しいですね。
機内食のメニュー
続いては、ビジネスクラスのお楽しみの一つである機内食についてご紹介していきたいと思います。飛行機が離陸して安定飛行に移行すると、メニューが提供されます。
オーストリア航空の長距離線ビジネスクラスでは、空飛ぶシェフ(フライングシェフ)が帯同しており、機内で料理を仕上げるのが特徴になっています。
メニューの最初の方にも、イメージ写真付きでその説明が記載されています。実際、こちらの写真のとおりの格好をしたシェフが帯同しており、雰囲気を盛り上げています。
メニューの中身はこんな感じです。この日は離陸後にランチ、着陸前に朝食の提供となっており、メインやデザートを選択できるようになっていました。
ちなみに、メニューに日本語の記載はなく、英語、ドイツ語、中国語となっていました。
メニューと一緒にこちらのようなアンケート用紙が配布されますので、選択結果をこちらに記入して、シェフに提出するというシステムになっています。いつも(他社)とは違うシステムに、期待が高まります。
ドリンクについても、同じメニューから確認することができます。こちらは、シャンパンやスパークリングワインのページ。ロゼのスパークリングワインが提供されているのは珍しいですね。
こちらはビールのページ。オーストリアのものを中心に数種類用意されています。
こちらは白ワインのページ。
こちらは赤ワインのページ。
白ワイン、赤ワインともに、フランスものやオーストリアのもの、新世界のものなど、 数ページにわたって記載があり、種類豊富な印象でした。
機内食とドリンク(ランチ)
そんなこんなでここからは、実際にいただいた機内食とドリンクをご紹介していきたいと思います。オーストリア航空のビジネスクラスでは、フード、ドリンクともにワゴンで提供されるのが特徴です。
まずはドリンクのワゴン。
この日は、メニューの中で目を引いた、ロゼのスパークリングワインを選択してみました。意外なことに、小瓶での提供になりました。見た目どおりの軽い飲み口で、ランチにはピッタリな印象でした。
テーブルセッティングはこんな感じです。フードがやってくるのをしばし待ちます。ちなみに、パンはCAさんが運んでくるカゴの中の数種類から選択することができます。
こちらは前菜のワゴン。好きなものを指差しで指定して、その場で盛り付けていただけます。全種類を指定することもできます。なんだかちょっと楽しいです。
この日はこんな感じで、エビとサーモン、ローストビーフの3品をいただきました。盛り付けも丁寧ですね。
こちらはスープのワゴン。スープも目の前で、一皿一皿仕上げてくださいます。
メインについては、バックヤードで調理されたものが直接提供されます。こちらは、私が選択した鶏肉のローストです。
こちらは妻が選択したユニークな形のパスタ。袋状になっていて、中にチーズが包まれています。
続いては、デザートのワゴン。デザートも好きなものを選択するシステムになっています。こちらも欲張って、全種類を選択することも可能です。甘いもの好きにはたまりませんね。
私の場合は、フルーツとティラミス、アイスクリームを選択してみました。見た目も鮮やかで美味しそうですね。
最後は、チーズのワゴンがやってきました。食事の後に、チーズとワインでダラダラと飲みたい方にはうってつけです。チーズも種類豊富で、どれも美味しそうですね。
この後、機内食をいただいてみましたが、とても美味しく感じました。ワゴンで運ばれたものが、目の前で仕上げられるのが食欲を掻き立てるのかもしれませんね。
また、素材については、品質の高いものが使われているな、というのが、見た目にも味にも出ていました。ビジネスクラスのフードとしては、全体的にとてもレベルが高いと感じました。
ただ、ワゴンで一品一品仕上げていくため、提供にとても時間がかかっていたのは気になりました。
長距離フライトで時間がたっぷりあるので、気にする方が悪いような気がしますが、気の短い方は、なるべく前列の方の席を予約しておいた方がよいかもしれません(笑)。
コーヒーサービス
オーストリア航空のビジネスクラスの機内食の特徴はもう一つあります。それは、コーヒーサービスです。
オーストリアはカフェ天国と言われるほどカフェ文化が根付いてる地域です。コーヒーを様々な方法で楽しむべく、とてもたくさんの種類のメニューが提供されています。
コーヒーサービスは、デザートが提供されるタイミングに合わせて提供されます。こちらはコーヒー専用のメニューブックです。
メニューを開くとこんな感じです。ずらずらっと並んでいるものすべて、コーヒーメニューです。全部で9種類ありました。注意点としては、お酒(リキュール)が入っているものが何種類かあるというところです。
例えば「マリアテレジア」というメニューがあるのですが、こちらには「オレンジリキュール」が入っています。注文される場合はご注意ください。
そんなこんなで、この日オーダーしたものをご紹介していきたいと思います。
こちらは「メランジェ」。定番とも言えるコーヒーメニューで、ブラックコーヒーに泡立てたホットミルクが混ぜられています。カプチーノみたいな感じですね。
続いてこちらは「アインシュペナー」。ブラックコーヒーにホイップクリームが加えられています。グラスで提供されているのが涼しげですね。見た目はパフェのようにも見えます。
コーヒー豆には、ウィーンの高級食材店である「ユリウス・マインル」のものが使われているということで、味も見た目もウィーンの街中でいただくものと遜色ありません。
これだけ本格的なウィーン風コーヒー(ウィンナー・コーヒー)を機内でいただけるというのは嬉しい限りですね。
機内エンターテイメント
続いては、機内エンターテイメントを確認しましょう。まず、言語設定は日本語に対応しています。初期は英語になっていますので、お好みに合わせて変更しましょう。
日本語に変更した後は、メニューを含めて日本語で操作できるため安心です。
映画のラインナップとしても、新し目の映画で日本語吹き替えのものが複数用意されていました。機内エンターテイメントとしては充実の品揃えと言えそうです。
トイレとギャレー
トイレについては、最近は日系の航空会社では「ウォシュレット」付きのものがありますが、こちらの機材では、残念ながら普通のトイレとなっていました。まあ、当然と言えば当然ですが念のため・・。
あと、トイレの中には、ウェットタオルやコーム、歯ブラシ、髭剃りなど、意外なほどにアメニティーが充実していました。
また、ハンドクリーム(ボディーローション)には、ロクシタンのものが用意されていました。とても良い香りでこれはポイント高いですね。
最初の機内食の提供が終わった後は、就寝のためにライトが落とされます。このタイミングに合わせて、ギャレーにはちょっとしたスナックやドリンクが用意されるようになりました。
ナプキンのディスプレイがかわいいですね。ちょっとしたところですが、あるとないのでは印象が全然違います。
機内食とドリンク(朝食)
今回のビジネスクラスのシートは、フルフラットになるタイプでしたので、消灯後はぐっすりと就寝することができました。
その後、目的地である上海が近くなってくると、到着前の機内食が提供されました。位置付けとしては、朝食となるようで、シンプルなプレートでの提供となりました。
朝食としては、卵料理の調理の仕方を選択することができるようになっていました。こちらは、オムレツを選択したもの。
こちらは、目玉焼きを選択したものです。
卵料理の調理の仕方を選択することができるというのは、「空飛ぶシェフ(フライングシェフ)」が帯同しているオーストリア航空ならではではないでしょうか。
ホテルの朝食みたいで嬉しいですね。とても美味しくいただくことができました。
そんなこんなで、ビジネスクラスのフライトをエンジョイしていると、約10時間のフライトもあっという間に終了し、飛行機は無事に目的地である上海に到着しました。
次は、上海でANA便に乗り換えて、最終目的地である成田に向かうことになります。この様子は、また別の記事でご紹介していきたいと思います。
オーストリア航空ビジネスクラス:必要マイルと値段(コスト)
必要マイル
今回のイタリア旅行に必要なフライトには、ANAマイルを貯めて発券した特典航空券を利用しました。
今回は夫婦2人で利用しましたので、必要となったマイルとコストは以下となります。コストとして必要となっているのは、燃油代(サーチャージ)と諸税(空港税など)となっています。
<イタリア旅行2019フライトの必要マイルと値段(コスト)>
- 必要マイル:190,000マイル(2名分)
- コスト:108,160円(2名分)
ヨーロッパ旅行ということで、諸税(空港税など)等のコストが比較的に高くなっていますね。
しかしながら、マイルを使った特典航空券ということで、航空券代(チケット代)そのものは無料となっているのはありがたいことです。
「ルフトハンザ航空」および「オーストリア航空」はANAと同じアライアンスである「スターアライアンス」に加盟していますので、ANAのマイルを使ってこれらの航空会社のチケットを発券することができます。マイレージプログラムとアライアンスについてはこちらの記事もご参照ください。
必要コスト
今回は前述のとおり、マイルを利用した特典航空券としてチケットを発券しましたが、同様の経路を有償で発券しようとした場合は、以下のように「約190万円」が必要になります(2名分)。
とても自腹では利用できる金額ではありませんね・・。こういう高価なチケットを発券できると、陸マイラーをやっていてよかったと実感できます。
「陸マイラー」の基本となるANAマイルの貯め方は以下の記事でまとめております。陸マイラーにご興味のある方は以下の記事も合わせてご参照ください。
イタリア旅行2019のスケジュール
今回の記事は、2019年ゴールデンウィークの「イタリア旅行」の一部としてご紹介しました。「イタリア旅行2019」全体のスケジュールは以下のようになっています。
<イタリア旅行2019のスケジュール>
- 1日目:東京(羽田)からイタリア(ローマ)に移動。セントレジス ローマに宿泊
- 2日目:ローマ観光。セントレジス ローマに宿泊
- 3日目:ローマからフィレンツェに移動。セントレジス フィレンツェに宿泊
- 4日目:フィレンツェからヴェネツィアに移動。ダニエリ(ヴェネツィア)に宿泊
- 5日目:ヴェネツィア観光。ダニエリ(ヴェネツィア)に宿泊
- 6日目:イタリア(ヴェネツィア)から東京(成田)に移動 <=今ここ
- 7日目:東京(成田)に帰国
今回のイタリア旅行はビジネスクラスと高級ホテルを利用した豪華なものですが、貯めたANAマイルとSPGアメックスのポイントで、ほぼ無料で実現しています。
陸マイラー的なANAマイルの貯め方とSPGアメックスの特典とメリット・デメリットは以下の記事をそれぞれご参照ください。
まとめ
今回は、「オーストリア航空ビジネスクラス」の機内食から座席(シート)、アメニティーまで詳しくご紹介させていただきました。
オーストリア航空の長距離線ビジネスクラスでは「空飛ぶシェフ(フライングシェフ)」が帯同しており、機内で料理を仕上げるのが特徴になっています。
ワゴンで提供され目の前で仕上げられるフードは食欲を掻き立てられ、見た目にも味的にも楽しめるものでした。
また、カフェ天国であるウィーンを本拠地とするオーストリア航空ならではの、充実したカフェサービスは特筆すべきもの。飛行機にいながらにして、ウィーンのカフェ気分を味わうことができました。
シートについても、フルフラットにすることができ、また機内エンターテイメントや電源周りも最新の設備で、とても快適でした。
トータルとして、サービス面でも設備面でも、満足度の高いものと感じることができました。素晴らしい空の旅をありがとうございました。
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それでは、また!
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